朝のお説教 第15回その2

2003年4月23日(水曜日)
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番外編の続きです。少し長くなります。

場面は、その1から6年後。11月はじめ。風が冷たい日でした。
今賀 万大(いま がまんだい)さん59歳。
とぼとぼと橋を渡っています。

   万大・・あぁ〜〜あ。あかんなぁ。
       何でわかってくれんのかなぁ。ええもんやのになぁ。
       ん?なんや?
       あかんやないかぁ。男の子が流されとる。はよう岸に上がらんかいな。
       なにもっとんや。大事そうに もっとらんで ?まらんかいな。
       犬か。はなせんのやな。よ〜〜し。
       まっとりぃよ。今いったるさかい。

  万大さん 土手を駆け下り、飛び込みます。若い頃は、草野球のエースで鳴らした 自信がありました。
  すばやく泳いで近づきます。

       あかんがな、そんなに暴れたら。
       おいちゃんが 何とかしてやるさかい。
       ほらもうじき岸や。しっかり その犬 もっとりぃや。

  万大さん 子供と犬を抱え、岸まで泳ぎ着きます。
  岸まで 助けに 駆け寄って きていた人に、子供を 預け 腰を下ろしたときに
  激しい 頭痛に 見舞われ、気を失ってしまいます。

  場面は変わって、ここは病室。
  万大さん 脳幹梗塞のために、集中治療室で 治療を 受けています。
  深い昏睡状態、担当医からは 回復が 難しいと 宣告されています。

   はな・・おじいさん。目ぇあけてぇな。
       またおじいさんの 夢きかしてぇな。
       なぁ。なぁて。

  その時、規則的に 心臓の拍動を 伝えていたモニターの音が止まり、
  画面に 何も 波形が出なくなりました。
  医師、看護婦がバタバタと、緊急蘇生を試みます。
  35分後、医師から「お亡くなりになりました」と告げられました。

   万大・・なんや。わし どうしたんやろ。
       ここどこやろ。なんで わし 宙に浮いとんのや?
       あれ??わしや ないか。
       何で ばぁさん 泣いとんのや?
       ほ〜かぁ、わし 死んだんかいな。 
       万作(まんさく-一人息子30歳)も、春音(はるね-嫁27歳)さんも、一番(いちばん-孫10ヶ月)もおるやなかいな。
       万作も泣くな。男やないか。
       お前らには えらい迷惑かけたなぁ。
       わしの勝手でなぁ。
       ゆるしてな。
       これからも 苦労するんやろなぁ。
       何とか したりたいけどなぁ。

  その時 万大さんに お迎えが来ます。
  光と一体となった存在が、近づいてきました。

   万大・・おむかえでっか?お手数をかけます。
       わしは どうなっても ええんですが、こいつら どうなりますのやろ。
       何とか 手ぇ かせませんやろか?

  光の存在が、光を放ちながら動きました。
  万大さん 一瞬で すべてが こころに 伝わり 了解しました。
  数年後の みんなの様子も 見えるようになります。

   万大・・そうか。わし 死んだから、テレビで映ったんやな。
       それで TV局の人が、興味を持ってくれたんか。
       そうや。みんなに知ってもろたら、あれはええもんやし。
       みんなに 絶対に 喜んで もらえるもんやし。
       はなも、万作も、春音さんもうれしそうやなぁ。
       誰かの誕生日かいな。おぉこれが孫の一番(いちばん)かいな、
       大きいなったなぁ。この男の子は何や?もう一人生まれたんか。
       えぇ?その春音さんの腕の中にいるのは?
       まだもう一人いるんかいな。かわいいなぁ。女の子かいな。
       そうかぁ。この子の誕生日かいな。一つやな。
       そうかそうか。みんな笑ろうてて、よかったぁ。
       ホンによかったぁ。わし 無駄なこと してなかったんや。
       よかったなぁ。
       みんなわろうてなぁ。
       あんたはん、天使さんでっしゃろ。
       ありがとうございました。連れてって下さいな。

  場面は変わり、通夜の席。
  身内だけが 棺の前にいる。

   はな・・おじいさん。ええ人生でしたか?
       わては ええ思い させてもらいました。
       おじいさんの うれしそうな顔が、一番でしたわ。
       「わしは世界を救うんや」って、よくいってましたな。
       そういうときに ええ顔で、笑ろうてました。
       そのたんびにわて、ほれなおしてましたわ。
       「お金が のうて 申し訳ない」って、小さなってましたけど
       そんな事ありません。
       いっつも うれしい気分に させてくれてて、
       笑うてられて、楽しくってそんで十分でしたわ。31年間ありがとう ございました。
       なんや、おじいさん 笑ろうてますか?
       聞いてましたんかいな。
      
これからも、今賀はな(いまがはな)さんのご家族には、登場していただくことになると思います。
今賀 万大(いま がまんだい)さん 今頃は天国で笑ってるはず。

書いてて 自分で ハマってしまった ちぬおじ でした。
長文に 付き合って いただき ありがとう ございました。
明日は未定です。お楽しみに!


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